新しいロゴが発表されて、
シンプル過ぎると言っている人が結構いるが、
デザインをやったことがないからそう思うだけだ。
おそらく、デザインの調整に最も時間がかかったのは今回のA案だと思う。
A案のシンプルさは、何回もの調整を経て、計算され尽くしたシンプルさだ。
実際にあれを自分で作ろうとするのは、
思っている以上に難しい。
他の案はデザイナーの自由な発想の中で曲線をふんだんに使ったデザインだが、
A案は市松模様という制約を自らに課した中であのデザインを作っている。
しかも、A案の左のロゴは左右非対称に作っている。
なぜ、あえて左右非対称にしたのかわからないが、
わざわざさらに調整が難しくなる選択をしたということだ。
オレも仕事柄ロゴを作ったりすることもあるので、
シンプルかつ美しいロゴを作る大変さがよくわかる。
もちろん普段デザインをしたことがない人に
それをわかれ、というのも酷な話ではある。
それに、みんなが五輪らしくないと思う気持ちもわかる。
デザイナー目線で五輪を語ることにはそれほど意味もない。
でも、あれを作るのは結構大変だよ、
ということだけは言っておきたい。
あのデザインを凡庸だという人間は、
一度自分で作ってみればいい。